パイプスモーキングの醍醐味は様々な個性のtobaccoの味わいが楽しめることです。
あまりに種類が多く、味わいや特徴が忘却の彼方に消えてしまったものも多々あり
自分の備忘録のためにテイスティングノートをつけ始めました。

パイプ葉は個人の嗜好性や飲み物、時間帯、体調、パイプによってもかなり変わります。
なるべく主観に流れないように書くよう注意は払っているつもりですが、あくまでも参考程度にされてください。お役に立てれば幸いです。
ついでにシガーやRYO、ウイスキーについても少し触れています。

2014年7月5日土曜日

tobaccoの薬理作用に関するメモ(3)

3,インスタントメディテーションとしてのtobacco

広く信じられていることの一つに「タバコを吸うと覚醒する」というのがあります。
しかし厳密にはこれは誤解です。
実際には喫煙時は酩酊や鎮静します。
覚醒感があるのは、喫煙後だいぶしばらくしてからです。
パイプやシガーなどの口腔内喫煙をすれば、これが如実に分かります。

私は少しだけ瞑想の心得がありますが、喫煙はこの瞑想の状態ととても良く似ているなあと常々感じます。

瞑想はその最中は鎮静や酩酊に近い状態です。そして瞑想から抜けてしばらくしてから強い覚醒感を感じてそれが数時間続きます。

パイプやシガーの、ヘヴィスモーカーほど喫煙中は口数が少なく、また喋る速度が遅い傾向があります。それでいてぼんやりしている訳ではないのです。外界との情報が遮断され、内観が進む感じです。
まさに瞑想と同じ状態です。
ニコチンが切れた後(たぶん)は頭の回転はより速くなり明晰です。

喫煙=覚醒
ではなく
喫煙=瞑想状態〜のち覚醒

瞑想には修練や様々な条件が必要ですが、喫煙は非常に簡単です。
tobaccoを楽しんで喫すれば良いだけです。


ところでよく、タバコを吸うようになるとどんどん天井知らずに本数が増えていって依存症になるなどと言う人がいますが、それは明らかな間違いで、ニコチンの要求摂取量は耐性によって際限なく増えるのではなく、体質によってあらかじめ単位時間あたりの上限が決まっています。

例えば紙巻たばこで言えば20本/日を吸う人は、将来30本や40本になるのではなく、予めその人の体質でおおよそ20本程度と決まっているわけです。もちろん当初はこの本数に至るまでは推移があります。が、上限はほどなくやってきます。これは肝臓の代謝処理能力の差です。アルコールの分解能に個人差と耐性があるのと似ていますが、ニコチンの代謝能力はアルコールとは違い、その人が元々持つ肝臓の処理能力を越えて増えたりしません。

ニコチンが代謝されると、コチニンという物質に変わります。
コチニンは薬理作用がないとされていますが、瞑想〜覚醒のメカニズムは、このコチニン代謝が大きく関与しています。
近年、コチニン代謝の際に覚醒が起きるとする臨床報告がされるようになってきました。
ただアセチルコリン受容体との関連はないようだということは分かっているので、どうやら未知のメカニズムによって覚醒を促しているものと思われます。その効果は緩やかで持続性のあるものです。

喫煙者の実感としても特にパイプ喫煙、シガー喫煙者の場合、喫煙終了から数時間後にかけて集中力や記憶力の向上を経験する人が圧倒的に多い事から、ニコチン〜コチニン代謝が覚醒に深く関与していることは間違いなく、この事はいずれ実証されてゆくのは間違いないでしょう。

最近、ニコチンにはアルツハイマー病、パーキンソン病を予防、改善する薬理作用があると近年言われ始めています。これは20年ほど前に発表されていながら研究費の出処などから信ぴょう性に乏しいという理由で一旦否定された話です。最近また臨床でその効果が報告され始めています。

父が認知症になって以来、アルツハイマーやレビー症、ピック病、し銀顆粒性などについて調べていくうちに、認知症のメカニズムは喫煙による瞑想〜覚醒と真逆のルートを辿っているのだということが分かって来ました。
認知症は、アセチルコリン分泌が不足したり、アセチルコリン受容体にタンパク質の一種が詰ってしまい、アセチルコリン受容〜ドーパミン放出ができなくなり、うつ、記憶障害、脳細胞の萎縮に至る恐ろしい病気です。

認知症の患者は甘いものを非常に強く欲しがる人が多いのですが、これは脳内でアセチルコリンのやりとりができなくなってしまった状態で脳が本能的にドーパミンの放出を要求し、そのために砂糖を欲しがるためです。
糖を摂り過ぎると脳細胞はさらに不可逆的に萎縮を起こし始めるので糖分摂取は管理しなければならないと云われていますが、糖分摂取で一時的にはドーパミンが放出され多幸感もしくは安堵感は得られます。

目に見える効果は糖もニコチンも同じです。
ところが糖の場合、ドーパミンを放出するメカニズムはアセチルコリン系とは全く関係ないところにあるので、結果としてアセチルコリン受容体はますます用がなくなり、アセチルコリン放出も受容もなくなってしまうのです。これはドラッグのメカニズムによく似ています。

ニコチンの場合は直接ドーパミン放出や再吸収阻害はしません。その代わり常に受容体にフルに働きかけ、受容体を活性化すると云われます。結果として受容体が徐々に増えていくとも言われます。


ただしこの薬理に関して思うのは、パイプ、シガーなどの口腔内吸収に限る話ではないかという実感があるという点です。これが紙巻きタバコの場合も果たしてその通りになるのか、また薬理以上に良くないデメリットを、喫煙者自身も多く感じている故に、紙巻きタバコが主流の現代では決して広く支持される話ではないだろうなという気もしています。

喫煙の効能や薬理を考える時、やはりどうも紙巻きタバコとパイプ/シガーとでは全く別物の様な気がして仕方ない事例、現象が多いのです。




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